加齢に伴う目のトラブル〜白内障・緑内障・飛蚊症への漢方アプローチ〜
いつも漢方相談スガヌマ薬局をご愛顧いただき、ありがとうございます。創業150年の歴史を持つ当薬局では、皆様の健康をサポートするための情報をお届けしています。
今回は、2026年8月6日に開催された中医学眼科勉強会の学びをもとに、加齢に伴う眼疾患への漢方的なアプローチについてお話しいたします。
結論として、加齢による飛蚊症、白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの目のトラブルには、漢方で「肝(かん)」と「腎(じん)」を補うことが非常に有効です。
その理由は、中医学において「目は肝の開竅(かいきょう)するところ」と言われ、目の栄養源は「肝血(かんけつ)」であり、視力や見る力を支えるのは「腎精(じんせい)」だと考えられているからです(精血同源)。加齢によってこれらが不足する「肝腎虚弱(かんじんきょじゃく)」に陥ると、目に栄養が届かず、様々な不調が引き起こされます。
実際に、加齢に伴う眼疾患の発症率は高く、以下のような数字が出ています。
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白内障: 50代で約13%、70代になると約60%の方が罹患すると言われています。
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緑内障: 日本人の緑内障の約7割は「正常眼圧緑内障(眼圧が正常範囲内でありながら視神経がダメージを受ける状態)」が占めています。
目の構造と加齢の影響
人間の目はカメラのような構造をしており、光の通り道である水晶体や硝子体、そしてフィルムの役割を果たす網膜(黄斑)などから成り立っています。加齢や強い光(ブルーライトなど)の蓄積により、これらの細胞が酸化・損傷しやすくなります。

このような目のお悩みはありませんか?
- 目のかすみ、乾燥、疲れが続いている
- 夕方になると見えにくくなり、目を開けているのがつらい
- 眼科では経過観察だが、日頃の体調も整えたい
- 点眼治療を続けながら、漢方薬も検討したい
- 目の不調に加えて、冷え、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴りがある
- 眠りが浅い、疲れが取れない、足腰の衰えも気になる
- 眼圧、血圧、血糖など複数の数値が気になっている
一つでも当てはまる方は、眼科で目の状態を確認したうえで、漢方相談を体調管理の選択肢に加えてもよいでしょう。
目の健康を守る「アイフレイル」という考え方
アイフレイルとは、加齢に伴って目の予備能力が低下し、さまざまな要因が重なることで、見え方や目の機能が衰えた状態、またはそのリスクが高い状態を表す言葉です。
日本眼科啓発会議のアイフレイルチェックリスト(2023年11月改訂)では、「目が疲れやすくなった」「夕方になると見にくい」「まっすぐの線が波打って見える」など10項目のうち、2つ以上当てはまる場合は、一度眼科専門医へ相談するよう勧めています。
見えにくさを「年齢のせい」と我慢せず、早めに変化に気づくことが、これからの目の健康を守る第一歩です。
年齢とともに注意したい3つの目の病気

1.飛蚊症|急に増えたときは早めに眼科へ
飛蚊症は、黒い点、糸くず、虫、雲のような影が浮かび、視線を動かすと一緒に動いて見える症状です。加齢に伴う硝子体の変化で起こることが多く、眼科で問題がないと確認される場合もあります。
一方、飛蚊症が突然増えた、光がないのにピカッと見える、視野が欠ける、急に見えにくくなった場合には、網膜裂孔や網膜剥離などの可能性があります。いつもと違う急な変化は、様子を見ずに眼科へ相談してください。
2.黄斑上膜・黄斑変性|物がゆがんで見える
黄斑は、網膜の中心にあり、文字や色を細かく見分けるために大切な場所です。黄斑上膜は黄斑の表面に薄い膜ができる病気で、物がゆがむ、左右で大きさが違って見える、中心が見えにくいなどの症状が現れます。黄斑変性は、加齢により網膜の裏側に老廃物がたまり、細胞が傷む、または異常な血管(新生血管)が生えて出血やむくみを起こします。
視力が保たれ、日常生活への影響が少なければ経過観察になることがあります。症状が進み生活に支障が出る場合は手術が検討されるため、定期的な検査を続け、眼科医と治療時期を相談することが大切です。

3.緑内障|眼圧が正常でも起こります
緑内障は、目と脳をつなぐ視神経が障害され、視野が少しずつ欠けていく病気です。初期には自覚しにくく、両目で見ていると視野の欠けを補ってしまうため、気づかないまま進行することがあります。
日本眼科学会によると、2000~2001年の多治見スタディでは、緑内障は40歳以上の約5%、20人に1人にみられました。眼圧は一般に10~20mmHgが正常範囲とされますが、日本では眼圧が正常範囲内の緑内障も多くみられます。
緑内障治療の基本は、点眼薬、レーザー治療、手術などで眼圧を下げ、進行を抑えることです。一度失われた視野を元に戻すことは難しいため、処方された点眼薬を自己判断で中止しないでください。
目の健康と漢方相談|「目だけ」を見ません
漢方・中医学では、目の状態を考える際に、目だけでなく全身のバランスを確認します。特に「肝(かん)」「腎(じん)」「気・血・水」という視点を大切にします。
| 漢方の視点 | ご相談で確認すること |
|---|---|
| 肝血(かんけつ) | 目の乾燥・疲れ、眠り、生理、爪や髪の状態など |
| 腎精(じんせい) | 加齢による変化、足腰、耳鳴り、夜間尿、疲れやすさなど |
| 瘀血(おけつ) | 肩こり、頭痛、冷えとのぼせ、舌の色など |
| 気血不足 | 疲労、息切れ、食欲、胃腸、顔色、回復力など |
例えば同じ「目がかすむ」というお悩みでも、乾燥が強い方、疲れると悪化する方、冷えや肩こりが強い方、睡眠不足が続いている方では、漢方での見立てが異なります。
そのため、病名だけを見て同じ漢方薬を選ぶのではなく、体質、年齢、体調の経過、服用中の薬、生活習慣まで確認します。「目に良い漢方薬を一つください」で終わらせないことが、漢方相談の大切なところです。
漢方相談でお手伝いできること・できないこと
お手伝いできること
- 目の不調と全身状態を一緒に整理する
- 症状に合わせた漢方薬を検討する
- 服用中の薬や点眼薬との併用を確認する
- 睡眠、食事、運動などの養生をご提案する
漢方相談ではできないこと
- 緑内障、網膜剥離など目の病気の診断
- 眼圧、視野、OCTなどの眼科検査
- 眼科治療や点眼薬の代わりになること
- 失われた視野を元に戻すこと
漢方は眼科治療と競うものではありません。眼科で目を診てもらい、漢方相談で全身の体調を丁寧に見る。この二つを組み合わせることが、安心して目の健康を考える方法だと私は考えています。
症例から学んだこと
今回の勉強会では、突然現れた飛蚊症、経過観察中の黄斑上膜、緑内障のよくなった症例が紹介されました。
1. 飛蚊症(ひぶんしょう)のケース
視界に黒い虫や糸くずのようなものが見える症状です。
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お悩み: 突然大きな飛蚊症が現れ、目の充血、のぼせ、イライラ感があった方。
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漢方の対応と結果: 漢方薬を用いて肝腎を補い、目の濁りを取るアプローチを実施。10ヶ月後には飛蚊症がほとんど目立たなくなり、目の疲れやイライラもすっきりとよくなりました。
2. 加齢黄斑変性・黄斑上膜のケース
網膜の中心部にある黄斑に異常が生じ、視力低下や物が歪んで見える病気です。
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お悩み: 60代後半で黄斑上膜の疑いがあり、手術を予防したい方。
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漢方の対応と結果: 漢方で血流を良くし膜の増殖を防ぐアプローチを実施。1年後には症状が安定し、なんと5年後には視力が0.7から1.0へと向上する結果が得られました。
3. 緑内障(正常眼圧緑内障)のケース

視神経が障害され、視野が欠けていく病気です。
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お悩み: 1年前に正常眼圧緑内障と診断され、点眼薬を使用しても眼圧が下がらなかった方。
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漢方の対応と結果: 利水(水分代謝の改善)と血流改善の漢方を行った結果、半年後には眼圧が安定して下がり、視力も0.9から1.2へと向上しました。これにはご家族も大変喜ばれていました。
共通していたのは、眼科で病名と状態を確認し、必要な検査や治療を続けながら、漢方では乾燥、充血、目の疲れ、睡眠、冷え、足腰など全身の状態も見ていたことです。
見え方や体調に変化を感じた方の紹介もありましたが、あくまで個別の経過であり、漢方薬の効果を証明するものではありません。同じ病名でも、年齢、進行度、体質、併用薬によって適切な対応は異なります。詳しくは漢方相談スガヌマ薬局の漢方薬剤師にご相談ください。
初めての漢方相談は、このように進みます
- ご予約
LINE、お電話、予約フォームから、ご都合のよい方法でご連絡ください。前日・当日のご予約はお電話が確実です。 - 目と全身の状態を確認
見え方の変化、眼科での診断・治療に加え、睡眠、冷え、肩こり、胃腸、便通、足腰などを伺います。舌の状態なども確認します。 - 体質に合う方法をご提案
漢方薬が適しているかを検討し、必要に応じて飲み方や生活上の工夫をご説明します。無理に購入を勧めることはありません。
ご相談時にお持ちいただきたいもの
- お薬手帳、使用中の点眼薬・サプリメント
- 分かる範囲で、病名・視力・眼圧の数値
- 視野検査、眼底検査、OCTなどの結果
- 健康診断や血液検査の結果
※検査結果が手元になくてもご相談いただけます。分かる範囲でお聞かせください。
相談時間・相談料
- 初回相談:約60分
- 店頭での漢方相談:無料
- オンライン相談:1回3,000円(税込)(現在期間限定で無料です)
漢方薬をご購入の場合は、相談料3,000円を購入金額からお値引きします。
茨城県坂東市、常総市、守谷市、つくば市、古河市、境町、千葉県野田市などからご来店いただきやすい場所です。遠方の方にはオンライン相談も承っています。
まとめ|眼科治療を続けながら、全身から目の健康を支えましょう
目のかすみや疲れ、飛蚊症などは、年齢とともに増えやすい症状です。しかし、その背景に治療が必要な目の病気が隠れていることもあります。まず眼科で原因と状態を確認することが大切です。
そのうえで、目の乾燥や疲れだけでなく、冷え、肩こり、睡眠、胃腸、足腰なども一緒に整えたいという方には、目の健康と漢方相談を組み合わせることがお役に立てる可能性があります。
「眼科では経過観察だけれど、このままでよいのか不安」
「点眼治療を続けながら、体調も整えたい」
「自分の体質に合う漢方薬があるのか知りたい」
そのようなときは、一人で抱え込まずにご相談ください。創業150年の漢方相談スガヌマ薬局で、眼科の検査結果や服用中のお薬を確認しながら、お一人おひとりに合う方法をご一緒に考えます。
目の健康について、漢方薬剤師に相談してみませんか?
眼科での診断・治療を大切にしながら、目と全身の体調を丁寧に伺います。
「相談してよい内容か分からない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
営業時間 9:00~19:30/定休日 日曜・祝日
〒306-0631 茨城県坂東市岩井4443
参考情報(2026年8月12日確認)
- 日本眼科啓発会議「アイフレイルチェックリスト」(Ver.1.1、2023年11月改訂)
- 日本眼科学会「緑内障」
- 日本眼科医会「40歳を過ぎたなら知っておきたい黄斑前膜―診断と治療―」
- 日本眼科学会「網膜裂孔」
- 日本眼科学会「網膜剥離」
※本記事は一般的な健康情報です。診断や治療を目的とするものではありません。急な見え方の変化や強い症状がある場合は、薬局への相談より先に眼科医療機関を受診してください。漢方薬の適否や経過には個人差があります。





