低AMH・採卵数が少ない方へ|不妊治療と漢方で考える妊活サポート
茨城県坂東市の漢方相談スガヌマ薬局、認定子宝カウンセラー・漢方薬剤師の菅沼真一郎です。
一人ひとりの体調や治療状況に寄り添う妊活サポート
妊活や不妊治療を続けていると、検査結果や採卵のたびに期待と不安が入り交じり、心も体も疲れてしまうことがあります。
特に、AMHが低い、採卵できる卵子が少ない、受精しても胚盤胞まで育たないといった状況が続くと、「これから何をしたらよいのだろう」と悩まれるのは当然のことです。
このようなお悩みはありませんか?
- 採卵しても卵子が採れない、または採卵数が少ない
- 受精しにくい、分割が途中で止まってしまう
- なかなか胚盤胞まで育たない
- 良好胚を移植しても妊娠に至らない
- AMHが低いと言われ、今後の治療が不安
不妊治療では、医療機関で行う検査、卵巣刺激、採卵、受精、培養、胚移植などの治療が基本となります。
その一方で、治療に取り組める体力を保ち、次の周期に向けて体調を整えることも大切です。
今回は、漢方の勉強会で学んだ内容をもとに、低AMH、卵胞の発育、採卵時期、卵子を取り巻く環境について、漢方薬局の視点からわかりやすくお伝えします。
🌱 不妊治療を続けるときに必要な「心と体の支え」
不妊治療が長くなると、治療を続けることに迷いが生じることがあります。
心身の疲労、経済的な負担、仕事との両立、周囲との関係、結果が出ない焦りなど、その理由は一つではありません。
「同じ治療を繰り返しているだけではないか」と感じてしまうこともあるでしょう。
治療を続けたことで妊娠に至る方がいる一方、無理を重ねることが必ずしもよいとは限りません。続けること、少し休むこと、治療方針を見直すことのいずれも、大切な選択肢です。
大切なのは、次の点を整理していくことです。
- 今の治療内容や検査結果をどのように受け止めるか
- 主治医に確認しておきたいことは何か
- 体調面で見直せる部分があるか
- 心と体の負担をどのように減らすか
漢方相談では、病院の治療方針を尊重しながら、月経周期、基礎体温、冷え、睡眠、胃腸の状態、疲労、ストレス、食生活などを丁寧に確認します。
妊娠そのものだけを見るのではなく、治療を受ける方の体全体を整えていくことが、漢方による妊活サポートの基本です。
🕊️ AMHが低い=妊娠できない、ではありません
AMHが低いと言われ、強い不安を感じる方は少なくありません。
AMHは、卵巣内に残っている発育途中の卵胞数を推測するための目安として利用されます。一般的には、AMHが低い場合、卵巣刺激に反応して育つ卵胞や、採卵できる卵子の数が少なくなる傾向があります。
しかし、AMHは卵子の質や妊娠の可能性を直接決める数値ではありません。
実際の不妊治療では、AMHだけではなく、年齢、月経周期、胞状卵胞数、FSH、E2、採卵歴、受精結果、胚の発育状況などを総合的に確認します。
さらに、卵子の発育には次のような要素も関係しています。
- 卵胞がどのような速度で発育しているか
- 採卵時期がその方の状態に合っているか
- 卵子を支える顆粒膜細胞の働き
- ホルモンの変化
- 血流や栄養状態
- 睡眠、疲労、ストレスの状態
AMHが低い方では、採卵数だけに目を向けるのではなく、一回一回の周期を大切にしながら、体調面からも妊活を支えることが重要になります。
🥚 卵子を支える「顆粒膜細胞」とは
卵子は、卵巣内の「卵胞」という袋の中で成長します。卵子の周囲には、卵子の発育を支える顆粒膜細胞があります。
顆粒膜細胞は、ホルモンの産生に関わるとともに、卵子が成熟するために必要な環境を支えています。卵子だけが単独で成長しているのではなく、周囲の細胞と連携しながら成熟していくのです。
▲ 卵巣内の卵胞と卵子の発育イメージ(模式図)
漢方では、卵巣だけを切り離して考えるのではなく、体全体の状態から卵子を取り巻く環境を考えます。
気血の巡り、胃腸の働き、睡眠、冷え、疲労、ストレスなどを整え、妊活に向けた心身の土台を支えるという考え方です。
※漢方による体調管理が卵子の質や顆粒膜細胞の機能を改善し、妊娠率を高めることが確立されているわけではありません。
⏳ 年齢とともに注意したい「早発黄体化」
今回の勉強会で印象に残った内容の一つが、年齢や卵巣機能の低下に伴ってみられることがある「早発黄体化」です。
通常は、卵胞が発育した後に排卵が起こり、その後に黄体化が進みます。
ところが、卵巣機能が低下している方などでは、採卵前から黄体化に関係するホルモン変化が起こる場合があります。
そのため、卵胞の大きさだけではなく、E2やP4などのホルモン値や、これまでの採卵結果を踏まえて採卵時期を検討することが重要になります。
卵巣刺激法や採卵時期は、卵胞の発育状況やホルモン値などをもとに医師が判断します。自己判断で薬の使用方法や受診時期を変更せず、必ず主治医にご相談ください。
✨ 小さめの卵胞から採卵を検討することも
一般的には、卵胞が一定の大きさに達した段階で採卵が行われます。
一方、卵巣機能が低下している方などでは、卵胞が大きくなるまで待つことによるホルモン変化などを考慮して、採卵時期を検討する場合があります。
勉強会では、患者様の状態によっては、比較的小さめの卵胞から早めの採卵を検討するという考え方も紹介されました。
これはすべての方に当てはまる方法ではありません。また、早めに採卵することで必ずよい結果が得られるわけでもありません。
「卵胞が小さいから可能性がない」「AMHが低いから妊娠できない」と一つの要素だけで決めつけないことは大切です。
これまでの治療経過や採卵結果を整理し、主治医と相談しながら、ご自身に合った方法を検討していきましょう。
体質や体調に合わせて考える漢方の妊活サポート
🌿 漢方で考える妊活と5つの体質
漢方では、同じようにAMHが低い方や採卵結果に悩んでいる方でも、体質によって必要な対応は異なると考えます。
妊活相談で確認することが多い代表的な体質をご紹介します。
1.腎虚(じんきょ)
みられやすい傾向:
月経周期の変化、疲れやすさ、腰や膝のだるさ、冷え、耳鳴り、夜間尿など。
漢方での考え方:
中医学で生殖や成長、加齢と関係すると考える「腎」を補い、体の基礎力を支えます。
2.血虚(けっきょ)
みられやすい傾向:
月経量が少ない、顔色がすぐれない、めまい、立ちくらみ、爪が割れやすい、眠りが浅いなど。
漢方での考え方:
体に栄養とうるおいを届ける「血」を補い、心身の状態を整えることを考えます。
3.瘀血(おけつ)
みられやすい傾向:
月経痛、経血の塊、肩こり、冷えのぼせ、頭痛など。子宮筋腫や子宮内膜症がある方にもみられる場合があります。
漢方での考え方:
滞りがちな血の巡りを整えることを考えます。
4.肝鬱(かんうつ)
みられやすい傾向:
月経前のイライラ、胸やお腹の張り、ため息、緊張しやすい、ストレスで体調を崩しやすいなど。
漢方での考え方:
滞った「気」の巡りを整え、心身の緊張をやわらげます。
5.脾虚・痰湿(ひきょ・たんしつ)
みられやすい傾向:
胃もたれ、軟便、むくみ、疲労感、体が重い、甘いものを好むなど。
漢方での考え方:
胃腸の働きを整え、食事から必要な栄養を取り込みやすい体づくりを目指します。
💊 妊活相談で検討される漢方薬などの一例
体質や治療状況に応じて、次のような漢方薬や健康食品を検討することがあります。
漢方薬・漢方製剤の例
- 婦宝当帰膠
- 参茸補血丸
- 杞菊地黄丸
- 八味地黄丸
- 牛車腎気丸
- 冠元顆粒
- 逍遥顆粒
- 温胆湯
- 補中益気湯
- 麦味参顆粒
健康食品・お茶の例
- たんぽぽ茶ショウキT-1など
ただし、「妊活によいと聞いたから」という理由だけで選ぶことはおすすめできません。
冷えがある方でも、温める漢方薬がすべての方に合うとは限りません。また、胃腸が弱い方に滋養性の高いものを使うと、胃もたれや食欲低下につながる場合もあります。
月経周期、基礎体温、採卵結果、移植歴、病院で使用している薬、胃腸や睡眠の状態などを確認し、体質に合うものを選ぶことが大切です。
漢方薬や健康食品は、妊娠を保証するものではありません。通院中の方、治療薬を使用している方、妊娠の可能性がある方は、自己判断で使用せず、医師・薬剤師などの専門家にご相談ください。
💖 不妊治療では心のケアも大切です
不妊治療では、採卵数、成熟卵数、受精数、胚盤胞到達数、胚のグレード、妊娠判定など、さまざまな結果が数字で示されます。
一つひとつの結果に心が大きく揺れるのは、それだけ真剣に妊活へ向き合っているからです。
だからこそ、治療と同時に次のことも大切にしてください。
- 心身の疲労を減らすこと
- 安心して気持ちを話せる場所を持つこと
- 結果が出なかったときに自分を責めすぎないこと
- 必要なときには治療を休む選択肢も持つこと
漢方相談では、検査数値や治療歴だけでなく、睡眠、食生活、お仕事の負担、冷え、胃腸の調子、疲労、ストレス、月経の状態なども丁寧に伺います。
次の周期へ向けて体調を立て直すこと。治療を続けるための体力を支えること。気持ちが疲れたときに、一緒に状況を整理すること。
これらも、漢方薬局ができる妊活サポートの大切な役割だと考えています。
🎀 まとめ|一つの数値だけで可能性を決めつけないでください
低AMH、採卵数が少ない、受精しない、胚盤胞まで育たない、移植を繰り返しても妊娠に至らない。
このような状況が続くと、「もう難しいのではないか」と感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、妊活はAMHや卵胞径など、一つの数値だけで決まるものではありません。
年齢、卵胞の発育、採卵時期、ホルモンの変化、卵子を支える細胞の状態、これまでの治療結果など、さまざまな要素を総合して考える必要があります。
病院での治療を大切にしながら、冷え、胃腸、睡眠、疲労、ストレスなど、ご自身で整えられる部分にも目を向けてみましょう。
「AMHが低いと言われた」
「採卵を繰り返しても結果につながらない」
「自分の体質に合う漢方を知りたい」
「今の治療を続けるべきか気持ちが揺れている」
そのような方は、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。
この記事を書いた人
認定子宝カウンセラー・漢方薬剤師
漢方相談スガヌマ薬局 店長 菅沼真一郎
茨城県坂東市で創業150年を迎える漢方相談薬局として、不妊治療と漢方を併用したい方、体質を整えて妊活に取り組みたい方のご相談を承っています。
🌸 妊活・不妊の漢方相談をご希望の方へ
漢方相談スガヌマ薬局では、認定子宝カウンセラー・漢方薬剤師が、治療歴や検査結果、月経周期、体質を丁寧に伺い、お一人おひとりに合った漢方薬と養生法をご提案しています。
店頭でのご相談のほか、遠方の方にはオンライン相談も承っております。
これまでにも、不妊治療と漢方を併用しながら妊娠された方が多くいらっしゃいます。ただし、結果には個人差があり、漢方の効果を保証するものではありません。
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