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トップクラスの不妊専門クリニックの保険適用後の不妊治療

 

 

こんにちは。

 

 

認定子宝カウンセラー・漢方薬剤師の菅沼真一郎です。

 

 

兵庫県神戸市の「英ウィメンズクリニック」でおこなわれた不妊治療の研修会(第59回子宝カウンセラーの会)に行ってきました。

 

 

 

 

 

神戸市英ウィメンズクリニック 外観

 

 

 

 

英ウィメンズクリニックは、日本でトップクラスの不妊治療クリニックです。保険適用後の不妊治療について講演をおききしました。

 

 

保険適用になっても、不妊治療の質を落とさないように、先進不妊治療も積極的に取り組んでいました。さすがに漢方外来もあり、漢方薬も取り入れているクリニックです。

 

 

私が英ウィメンズクリニックにくるのは今回、4回目です。いつきても最新の病院の不妊治療が学べてとても勉強になります。

 

 

 

英ウィメンズクリニック見学会の様子は(こちらをクリック)

 

 

 

英ウィメンズクリニック苔口院長の講演後は、私の不妊漢方相談をされている方からのご質問をさせていただきました。苔口先生からのアドバイスもいただけてとてもよかったです。

 

 

今回、勉強したことをいかして、不妊漢方に役立てたいと思います。

 

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック研修会にて、私の不妊漢方相談をされている方からのご質問を英ウィメンズクリニック苔口院長にさせていただきました。漢方相談スガヌマ薬局 認定子宝カウンセラー漢方薬剤師 菅沼真一郎

 

 

 

 

 

【保険適用後の不妊治療について】

 

 

 

英ウィメンズクリニック

 

 

 院長 苔口 昭次 先生

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック 院長 苔口 昭次 先生

 

 

 

 

【令和4年4月から新たに保険適用】

 

 

 

 

●一般不妊治療 

 

 

 

*タイミング法:排卵のタイミングに合わせて性交を行うように指導します。

 

 

 

*人工授精:精液を注入器で直接子宮に注入し、妊娠を図る技術。

 

 

 

 主に、夫側の精液異常、性交障害等の場合に用いられます。比較的に安価。

 

 

 

●生殖補助医療

 

 

 

*体外受精:精子と卵子を採取した上で体外受精させ(シャーレ上で受精を促すなど)、子宮に戻して妊娠を図る技術です。

 

 

 

*顕微授精:体外受精のうち、卵子に注射針等で精子を注入するなど人工的な方法で受精させる技術です。

 

 

*男性不妊の手術:射精が困難な場合などに、手術用顕微鏡を用いて精巣より精子を回収する技術(精巣内精子採取術(TESE))等。→顕微授精につながります。

 

 

 

 

英ウィメンズクリニックのエントランス

 

 

 

 

【不妊治療  保険適用対象者】

 

 

 

●体外受精法、顕微授精法、凍結胚移植法

 

 

 

*初めての不妊治療開始時点の女性の年齢:40歳未満

              回数の上限:通算6回まで(1子ごとに)

 

 

 

*初めての不妊治療開始時点の女性の年齢:40歳~43歳未満             

              回数の上限:通算3回まで(1子ごとに)

 

 

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック不妊治療の研修会 フロントの様子

 

 

 

 

【英ウィメンズクリニックの基本方針】

 

 

 

移植回数が保険適応であるので、良好胚のみの移植とする方針。

 

 

 

良好胚の確保(50%以上の妊娠率のある胚)

 

 

 

ガードナー分類 Grade3、4以上でCのついていないもの

 

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック 院長 苔口昭次先生(左)と認定子宝カウンセラー・漢方薬剤師 菅沼真一郎(右)

 

 

 

 

 

●採卵周期あたりの臨床妊娠率:35y.o.を境に減少

 

 

 

 

●妊娠を至るために必要な累計採卵(推測)数は年齢が高くなるにつれて多くなります。

 

 

 

     ◇妊娠必要卵数◇

 

 

 

30-32歳:7.7

 

 

 

33-34歳:8.4

 

 

 

35-37歳:9.4

 

 

 

38-39歳:12.5

 

 

 

40-41歳:15.8

 

 

 

42-43歳:21.1

 

 

 

44-45歳:42.2

 

 

 

【目標採卵個数】

 

 

 

30才前半:10個

 

 

 

30才後半:15個

 

 

 

40才代 :20個

 

 

 

1つの卵子で必ず妊娠に至るわけではありません。より多くの受精卵を得ることが必要になります。

 

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック ロビーの様子

 

 

 

 

◎まとめ

 

 

 

・多くの施設では体外受精の方針は、回収卵子数を増やす方法として調節卵巣刺激をおこない、良好胚細胞凍結を目指しています。

 

 

 

・PPOS法をもちいることが多くなっているそうです。

 

 

 

・また、妊娠までの期間をできるだけ短期間とのコンセプトで作成された、ホリトロピンデルタ(レコベル)というペン型注射薬も開発、応用されてきています。

 

 

 

 

凍結胚移植が増加してきた背景

 

 

 

・移植胚数の制限による胚凍結機械の増加。

 

 

 

・OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を回避する目的による全胚凍結の増加。

 

 

 

・最近、普及している卵巣刺激法であるPPOS(progestin prime ovarian stimulation)法では、新鮮胚移植はできません。

 

 

 

・がん・生殖医療における妊孕性(にんようせい)温存の普及。

 

 

 

*妊孕性(にんようせい)とは:「妊娠するための力」のことををいいます。妊娠するためには、卵子と精子だけでなく、性機能や生殖器、内分泌の働きも重要です。妊孕性は女性・男性両方に関わることです。

 

 

 

 

 

先進医療A

 

 

 

先進医療Aは保険治療費(3割負担)に先進医療費(10割自己負担)を組み合わせることができる先進不妊治療になります。先進医療Bを使う時は、保険診療分も10割負担になります。

 

 

 

・子宮内膜刺激法(SEET法)

 

 

 

・タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養

 

 

 

・子宮内膜擦過術(内膜スクラッチ法)

 

 

 

・ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(PICS)

 

 

 

・子宮内膜受容能検査(ERA)

 

 

 

・子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)

 

 

 

・強拡大顕微鏡による形態良好精子の選別法(IMSI)

 

 

 

・二段階胚移植法

 

 

 

 

EMMA/ALICE(エマ/アリス)

 

 

 

EMMAは子宮内の細菌を網羅的に調べる検査です。

 

 

 

ALICEはCEの原因として特によく認められる病原菌9種類の存在の有無や、その割合を調べる検査です。

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック内には、キッズルームも完備。

 

 

 

 

PGT-Aの現状と課題

 

 

 

・PGT-Aの技術自体は正確だが、偽陽性の可能性、解釈の困難さから、結果的に胚移植を実施できない場合が増えます。

 

 

 

・PGT-Aにより正倍数性と判断した胚を移植しても出産率は60%前後にとどまり、染色体異数以外の胚の質による影響も検討課題となるそうです。

 

 

 

 

 

 

◎まとめ

 

 

 

・先進医療は、保険診療に自費で治療ができる方法が認められていますが、保険治療に適用になるかは今後の臨床結果次第です。

 

 

 

・PGT-A自体は先進医療Bとなり、治療を行う場合にはすべて自費扱いとなります。

 

 

 

・PGT-Aは2022年9月より臨床研究の扱いから臨床応用としての段階に入りました。

 

 

 

 

 

男性不妊

 

 

 

●2022年4月より不妊治療の目的に限りED治療薬の処方に健康保険が適用されています。

 

 

 

 

・ED治療薬

 

 

 

・バイアグラ錠

 

 

 

・バイアグラODフィルム

 

 

 

・シリアス錠

 

 

 

注:病院に行き「子作りで使用するのでバイアグラください」と言って、健康保険証を提示すれば簡単に手に入るわけではありません。

 

 

 

 

◎無精子症

 

 

 

・非閉塞性無精子症

 

 

 

・閉塞性無精子症

 

 

 

・男性の(ブライダルチェック)7-8%に精子濃度の低下や運動率の低下が認められます。

 

 

 

・1-2%が無精子症です。100人に1人、実際現代医学で、手の打ちようがない方は、1000人中6人くらいとなります。

 

 

 

 

 

 

●子宮内膜厚と妊娠率

 

 

 

内膜厚の正常値の下段について→報告により幅があります。

 

 

 

卵胞期から着床まで7mm

 

 

 

内膜を厚くするために多血小板血漿(PRP)が子宮内膜の厚くならない患者さんに多く用いられるようになっています。

 

 

 

 

 

●PRPの子宮内膜に効く(着床)機序について

 

 

 

内膜構成

 

 

 

間質細胞

 

 

 

腺上皮細胞 

 

 

 

血管内皮細胞

 

 

 

炎症細胞    

 

 

 

複雑なネットワークがあります。

 

 

 

サイトカインによる内膜のremodelingの調節を期待する。

 

 

 

多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)を使った不妊治療とは、患者さん自身の血液から抽出した高濃度の血小板を子宮内に注入し、子宮内膜を活性化し着床効果を期待する方法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

英ウィメンズクリニック不妊治療の研修会の様子

 

 

 

 

最後に

 

 

 

 保険適用になり治療を標準化すると生殖医療が画一的になるのでは?とよく聞かれます。

 

 

 

・標準化=画一的ではありません。

 

 

 

今回の生殖医療の保険適用は、効率性と安全性を重視した適切な個別化医療ができるように、厚生労働省をはじめ先生方や医療関係者が、その枠組みをエビデンスに基づいて整理することができた結果と思います。

 

 

 

今後は、修正してゆく部分も出てくると思いますが、少子化脱出の原動力となることを願っています。   

  

 

 


 

 

 

 

 

 

プライバシーに配慮した個室の漢方相談室でゆっくりご相談できます。オンライン相談や電話相談もできます。お気軽に漢方相談お申し込みください。漢方相談スガヌマ薬局 電話0297-35-0003

 

 

 

今回、ご講演をおききして、とても感動しました。

 

 

 

漢方相談スガヌマ薬局では、プライバシーに配慮した個室の相談室を完備しております。

 

 

 

オンライン相談もご利用いただけます。

 

 

 

どんな些細な事でも安心してご相談ください。

 

 

 

よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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